昨年の夏、臨床実習と並行した約6ヶ月の学習で、USMLE Step 1に合格しました。日々の学習に使った教材は、UWorldとFirst Aidの2つです。この記事では、教材の使い方、反省を踏まえた6ヶ月の学習プラン、実際のスケジュールと模試の成績をご紹介します。

Step 1に合格してから、周囲から勉強法や教材について聞かれることが増えました。私自身、対策を始める前には先輩方の合格体験記を読み、「どんな勉強をすれば合格できるのかな」と調べていました。

学習を始めた頃は、USMLE Rxや映像講座を挟まず、UWorldを中心に進めることに不安もありました。それでも振り返ると、UWorldで演習と復習を重ね、わからないところをFirst Aidで補い、模試で準備状況を確認しながら、合格に必要な力をつけられたと感じています。

必要な準備は、学習開始時の知識や英語力によって異なると思います。私の背景も含め、一つの合格体験記として参考にしていただければ幸いです。

この記事の目次

学習開始時の状況

学年と臨床実習

受験時は医学部5年生でした。臨床実習と並行して学習していましたが、実習の忙しさは診療科によってかなり違いました。拘束時間の目安は次のとおりです。

  • 比較的余裕のある科:週2〜3日、1日1〜2時間程度
  • 通常の科:週4〜5日、1日4〜5時間程度
  • 忙しい科:週5日、1日9〜10時間程度

毎日同じ勉強時間を確保するというより、実習の予定に合わせて進め方を調整していました。直前の2週間は実習がなく、受験勉強に集中できる期間でした。

英語力と医学知識

英語は、医学部3年生のときにTOEFL iBTで90点台を取得しました。CBT対策で映像講座は一通り視聴していましたが、特にPharmacologyとMicrobiologyでは、それまでの勉強だけでは対応しにくい問題が多く、ほぼ一から勉強し直す感覚でした。

学習の基本方針 - UWorldとFAをどう使うか -

私が目指したのは、Step 1の合格ラインを余裕を持って超えられる力をつけることでした。ここでは、教材ごとの役割と演習・復習の基本的な考え方をご紹介します。

UWorldを中心に、FAで理解を補う

日々の学習では、UWorldを演習と知識の習得に、First Aid(以下、FA)を理解の補助に使いました。UWorldの解説は、正解・不正解にかかわらず一通り読みました。それでも理解が不十分なときに、FAの該当ページを参照しました。

FAを最初から最後まで通読したり、UWorldの解説を書き写したりはしていません。書き込みも、関連する問題番号を残す程度にとどめました。

最初はSubject・Systemを絞って演習する

UWorldでは、SubjectとSystemを選んで問題を作成できます。SubjectはPathology、Physiology、Pharmacologyなどの科目による分類、SystemはCardiovascular Systemなど臓器・領域による分類です。

UWorldのSubjects選択画面。AnatomyやBehavioral Scienceなど科目の一覧
図1.UWorldのSubjects
UWorldのSystems選択画面。各臓器・領域の一覧
図2.UWorldのSystems

最初から全範囲を混ぜるよりも、関連する科目や領域をまとめて解いた方が、解説の内容を結びつけやすいと思います。例えば、Pathology・Pathophysiology・Physiologyを選び、Cardiovascular Systemの問題を解くといった進め方です。

私は1周目でSubjectを絞っていませんでしたが、解説を理解するのに苦労した経験から、今ならこのように進めたいと考えています。

Markを使って、復習が必要な問題を残す

復習する問題を整理するには、UWorldのMark機能が役立ちます。この記事では、復習用の印をつけることを「Markをつける」と表記します。目安は、以下のような問題です。

  • 正解したものの、根拠を十分に説明できなかった問題
  • 解説を読んでも、理解に不安が残った問題
  • その場では理解できても、後でもう一度確認したい問題

反対に、自信を持って正解し、根拠も説明できた問題には、基本的にMarkをつけません。正誤だけでなく、理解に不安が残っているかどうかで判断することが大事だと思います。

反省を踏まえた、おすすめの6ヶ月プラン

ここでは、私の実際の経験に修正を加えた学習プランをご紹介します。私自身がこのとおりに進められたわけではなく、今やり直すならこう進めたいと考えている方法です。

大まかな配分は、初回演習に4ヶ月、復習に1.5ヶ月、直前の仕上げに2週間です。問題数や日々の忙しさに合わせて調整してください。

Phase 1:全範囲を一度演習する〔約4ヶ月〕

  • 対象:未演習の問題
  • 目標:Step 1で問われる内容を把握し、理解が不十分なところを見つける
  • 設定:Tutor・Untimed・Unused
  • ペース:1日30問前後を出発点に、残りの問題数と期間から調整する

Subjectは、私ならPathology・Pathophysiology・Physiologyから取り組みます。病態と正常な機能を関連づけて学びやすいと考えているからです。また、公式の出題割合でもPathologyとPhysiologyの比重は大きく、重点的に学びたい分野です。

USMLE Step 1の分野別出題割合を示す横棒グラフ。Pathology、Physiologyなど
図3.Step 1の分野別出題割合。USMLE公式コンテンツ・アウトライン ↗

その後は、以下のように関連するSubjectをまとめて進めると、整理しやすいと思います。

  • Anatomy・Embryology・Histology
  • Pharmacology
  • Microbiology
  • Biochemistry・Genetics・Immunology
  • Behavioral Science・Biostatistics

Systemは、興味のある領域や得意な領域から始めてよいと思います。1周目は、わかることとこれから勉強することを整理する段階だと考えています。正答率に一喜一憂しすぎず、解説を読んで考え方を理解することを優先します。1周目で細部まで覚えようとせず、2周目で頑張ろうという姿勢で進めるとよいと思います。

Phase 1終了時には、UWorld Self Assessment 1(UWSA1)を受験し、現状の実力と苦手分野を確認します。

Phase 2:復習で弱点を補強する〔約1.5ヶ月〕

  • 対象:Markをつけた問題と不正解だった問題
  • 目標:初回演習とUWSA1で見つかった弱点を補強する
  • 設定:Tutor・Untimedを基本に、Marked・Incorrectを活用する

Systemは苦手だった領域から取り組み、学習が進んだら複数の領域を混ぜた演習も取り入れます。Untimedであっても解答時間は意識しておくとよいと思います。ただし、解き直しでは内容を覚えていることもあるため、初見の問題での時間配分は模試で確認します。

Phase 2終了時を目安にNBME模試を受験し、直前期に補うべき弱点と準備状況を確認します。私の場合は、NBMEが示す「1週間以内にStep 1を受験した場合の推定合格確率」が99%であることが判断材料の一つでした。

Phase 3:直前の仕上げ〔約2週間〕

  • 対象:復習後も不安が残る問題と、NBME模試で見つかった弱点
  • 目標:知識を整理し、時間を意識して問題を解く
  • 設定:Markedを中心に、時間配分の練習ではTimedを使う

本番5日前を目安に公式のサンプル問題(Free 120)を解き、解説の確認や復習に使う時間を残しておきます。画面操作の練習には、受験時の試験形式に対応する公式の練習ツールを使うとよいと思います。

実際に進めたスケジュールと成績

ここからは、昨年の夏の受験に向けて私自身が進めたスケジュールです。勉強が進まなかった時期もあり、受験日も一度延期しました。以下では初回演習の期間を「1周目」、その後の復習期間を「2周目以降」と呼びます。1周目で全問を解き終えたわけではなく、2周目以降も未演習の問題に取り組んでいました。

本番6ヶ月前:UWorldを開始

臨床実習と並行して学習を始めました。日々の問題数や時間の使い方は、第5章でご紹介します。

本番3ヶ月前:約8割を演習

  • 使用率:2,936/3,639問(80.7%)
  • 正答率:66.8%
  • 解答時間:1問あたり約80秒

この頃から、既に解いた問題の復習と、残っていた未演習問題を並行して進めました。ただ、気が緩み、1日2〜3時間も勉強していなかった時期もありました。一方で、3,000問近く演習したおかげか、問題を解く速さには改善を感じていました。

本番4週間前:当初の受験日を延期

当初は、初回演習に3ヶ月、復習に1.5ヶ月、直前期に2週間という約5ヶ月の計画でした。しかし、復習に手間取ったため、受験を約1ヶ月延期しました。

本番3週間前:UWSA1を受験

  • Assessment Score:510
  • EPC Score:67

十分に演習できていなかったBehavioral ScienceやPsychologyの成績が振るわず、ここで焦り始めました。

本番2週間前:直前の復習

通常の学習から、受験勉強に集中するDedicated期間に入りました。この時期の演習内容も、第5章にまとめています。

本番5日前:NBME Form 31を受験

  • EPC Score:80

本番2日前:Free 120を受験

  • 正答率:80%

本番当日:Step 1を受験

受験時点でのUWorldの記録は、最終的な使用率が3,535/3,646問(約97%)、2周目以降の正答率が81.3%、解答時間が1問あたり約65秒でした。2周目以降は解き直した問題も含まれるため、初見問題だけの正答率とは区別して見ていただければと思います。

Subject別の初回演習と2周目以降の問題数、正答率を示す筆者の表
図4A.Subject別の演習状況(筆者の記録)
Subjectごとに1周目と2周目以降の正答率を比較した筆者のグラフ
図4B.Subject別の正答率(筆者の記録)

実際のUWorldの使い方

ここでは、私が実際に使っていた設定と、臨床実習に合わせた日々の進め方をご紹介します。

1周目:1日30問強

設定はTutor・Untimed・Unusedとし、Subjectはすべて選択していました。Systemは、図2の臓器・領域別の分類を中心に、一つずつ進めていました。

通常は、1日30問強を、解説とFAの確認まで含めて3〜3.5時間で進めていました。忙しい科の日は、20問・2時間を目安に進めました。

移動中は、主に解説の確認に時間を使っていました。平日に進まなかった分は休日に補い、週単位で予定どおりに進められるように意識していました。

Microbiology、Pharmacology、Biochemistry、Genetics、Immunologyでは、特にわからないことが多く、かなり苦労しました。解説を読んでもすぐには整理できず、進みが遅くなることもありました。

2周目以降:1日40問強

Tutor・Untimedで、Correct→Marked→Incorrectの順に復習していました。残っていた未演習問題にも、並行して取り組みました。Subjectは次の順に進めていました。

  • Pathology・Pathophysiology・Physiology
  • Microbiology・Pharmacology
  • Anatomy・Embryology・Histology
  • Genetics・Immunology

Dedicated期間:1日100問弱

実習のなかった直前の2週間は、2周目でもMarkをつけた問題を中心に、1日100問弱を進めました。後回しにしていたBiochemistryとBiostatisticsにも取り組みました。

当初は2周目で不正解だった問題もすべて解き直そうとしましたが、時間が足りず断念しました。また、Social Sciences(Ethics/Legal/Professional)を十分に演習できていないことも精神的な負担でした。

反省点と、これから受験する方へのアドバイス

振り返ると、改善したかったことは大きく3つあります。

模試を学習計画の中に組み込む

私はもう少し勉強してから受けようと考え、模試を後回しにしていました。しかし、実際に受けると、それまで十分に把握できていなかった弱点が見つかりました。模試は仕上がりを確認するだけでなく、残りの時間を何に使うか決めるためにも役立ちます。

理解できている問題に時間を使いすぎない

正解した問題から解き直したのは、復習漏れが不安だったためです。ただ、その結果、既に理解している内容にも時間を使い、苦手な問題に取り組む時間が足りなくなりました。

すべてを同じように復習しようとすると、必要なところに時間を使えなくなります。復習する量を増やす前に、今の自分に何が必要なのかを整理しておけばよかったと思います。

苦手分野を未演習のまま残さない

直前まで残した分野では、知識の確認だけでなく、内容を初めて理解するところから始める必要がありました。特にSocial Sciencesは本番でも関連する問題が多く出題され、準備不足を感じました。

暗記した内容を直前に復習することと、直前に初めて勉強することでは、負担がかなり違います。後半に重点的に復習したい分野でも、一度触れておくだけで直前期の進めやすさは変わると思います。

本番当日のこと

最後に、昨年の夏に受験した当日の様子をご紹介します。ここからは、筆者が受験した当時の形式での感想です。2026年5月14日以降のStep 1は、30分×14ブロック、各ブロック最大20問となっています。休憩や見直し時間は、受験時点の最新の形式に合わせて考えてください。詳しくはUSMLE公式のStep 1試験時間・構成を確認してください。

会場と持ち物

私は東京の御茶ノ水の会場で受験しました。早めに到着したところ、予約時刻よりも早く試験を開始できました。持参したのは、受験票、パスポート、飲み物、軽食としてゼリー飲料やラムネ、耳栓です。

休憩の取り方

当時は全7ブロックで、私は「3ブロック→休憩→2ブロック→休憩→1ブロック→休憩→1ブロック」という取り方をしました。休憩中は、歩いたりスクワットをしたりして気分転換していました。私の場合は休憩時間に余裕があったため、もう少しこまめに休んでもよかったと思います。

時間配分と本番の感触

UWorldや模試では1問あたり65〜70秒程度で解いていましたが、本番は慎重になり、約75秒かかっていました。見直し時間は各ブロック10分程度となり、普段より余裕がなく感じました。

また、Markをつけた問題の割合も、模試では3〜4割程度だったのに対し、本番では4〜6割程度に増えました。「こんなに自信のない問題があって大丈夫なのかな」と不安になりました。

問題自体の難易度は、私の体感では以下の順でした。

UWorld >> 本番 ≧ NBME模試 > Free 120

UWorldより難しい問題ばかりだったわけではありませんが、緊張もあり、解答に迷う場面が増えたのだと思います。普段よりMarkが多くても、それだけで出来が悪いと決めつけず、迷う問題はいったん保留して次に進む。時間を使いすぎないためにも、この切り替えが大事だと感じました。

おわりに

UWorldの1周目は、知らないことが次々に出てきて、本当にこれで合格できるのかなと思うこともありました。それでも、演習と復習を重ねるうちに、以前は理解できなかった解説がわかるようになり、少しずつ力がついていると感じられるようになりました。

私自身、計画どおりには進まず、受験も延期しました。それでも、UWorldとFAを中心に学習し、模試で現状を確認しながら、合格までたどり着くことができました。

Step 2 CKの学習についても、機会を改めてまとめられればと思います。この記事が、これから受験する方や、UWorldの1周目で苦労している方の参考になれば幸いです。

記事について

この記事は、Lobby運営者本人のUSMLE Step 1合格体験をもとに、元の文章や記録をできる限り残して構成しています。学習時間・問題数・模試成績は個人の体験であり、合格を保証するものではありません。試験形式や出題範囲などの最新情報はUSMLE公式案内をご確認ください。図1・2・4A・4Bは寄稿原稿内の記録、図3はUSMLE公式の出題構成資料です。

2026年9月24日公開。試験形式は2026年5月14日以降の公式案内を反映しています。

FIN.

読んだあとに、
少し違う景色が見えたなら。

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